衛生的な注意が何にも増して必要な脱毛サロンで持続化補助金を上手に使って立て直した例

お悩み

女性向け脱毛サロンを経営しています。脱毛には大きく分けて、毛穴をフラッシュ（光）で刺激して、毛根にダメージを与え、発毛を抑制する「フラッシュ脱毛」と、粘着性のワックスを毛に塗って、固まったあと、一気に引きはがす（痛い）「ワックス脱毛」があります。

私どものお店は、後者のワックス脱毛です。ワックス脱毛で毛を引っこ抜く際には、とても痛いだけではなく、ごくまれに毛穴から出血するケースもあります。事前にお客様にご同意いただくのですが、「痛い」「痛くない」だけではなく、衛生環境的に十分配慮しないと大変なことになります。

毛穴から雑菌が入ると、化膿したり感染症になったりするリスクがゼロではありません。そうした衛生環境的に気を遣わなければいけない中で、コロナが襲い掛かってしまいました。

ただでさえ感染症対策が重要なワックス脱毛に100年に1度の新型感染症の危機が襲い掛かってしまいました。

当然お客様は大幅減になります。毛を抜いた毛穴からコロナウィルスが入るケースは非常にまれだと思うのですが、やはりそうしたイメージを受けてしまう人がいるようで、何とかその「風評」を払しょくしないと、ワックス脱毛を今後やっていけなくなります。

というわけで対策法が何かないか、北九州商工会議所の方に相談することにしました。

コロナウィルスは飛沫感染が多いのは事実ですので、飛沫対策として、施術部以外を徹底的にガードすること、またウィルス防止のためのコーティングを施術台に施すこと、さらに、空気清浄機を室内に導入し、常に空気が滞留しない状況を作ることを勧められました。

持続化補助金（低感染リスク型ビジネス枠）の活用ができるそうで、これによって、空気清浄機、抗ウィルスコーティングや飛沫防止シートの購入を勧められました。感染対策費は補助金申請額の4分の1しか出ませんが、機械購入は通常通り4分の3の補助になるので、44万円の機械と、コーティング（感染防止対策）や飛沫防止シート10万円で、54万円×3/4＝40万円で補助申請を出しました。

40万円の4分の1＝10万円なので、感染対策費も枠に入り、持続化補助金の申請ができます。

結果

商工会議所の方のお力添えで、事業計画や補助事業を練ることができ、しっかりしたものを提出しました。

審査の通過率が約50％と聞いていましたが、見事合格し、補助事業が認められました。

ワックス脱毛という衛生的に非常にナイーブな仕事ですので、この補助金で導入した空気清浄機や抗ウィルスコーティングによって、感染症対策の防御を固めました。

HPなどに掲載し、安心であること、コーティングなどによって安全性も高くなることを周知した結果、徐々に脱毛を受ける方が戻ってきました。自分でかみそりなどで除毛するよりも、ワックス脱毛で毛根から抜く方がいいのは当たり前で、その安心感を持続化補助金によって取り戻すことができたようで、売上も60％増（前年比）ということで大きく回復することができました。

アドバイス

エステサロンや美容系は衛生的にしっかりしなければいけない仕事ですが、中でもワックス脱毛は、毛穴が開くので、そこからの感染症を防がなければなりません。感染症はコロナだけではなく、ほかのウィルスや菌のリスクもあります。

今回、コロナウィルス対策として導入された、持続化補助金（低感染リスク型ビジネス枠）をうまく利用することができました。これによって購入できた機械等は、コロナ以外のウィルスや菌にも役立つため、補助金の上手な使い方として参考になります。