小規模事業者持続化補助金 個人事業主
小規模事業者持続化補助金には
・一般型
・低感染リスク型ビジネス枠
と上記の2種類があります。
「一般型」と「低感染リスク型ビジネス枠」ではそれぞれ申請のフローや申請要件に関して違いがあります。
普通の会社などでは申請が可能ですが「個人事業主」として活動されている方に関しては申請が可能なのかと疑問に持つ方も多いのではないでしょうか。
今回の記事では小規模事業者持続化補助金は個人事業主でも申請できるのか、解説していきます。
ぜひ最後までご覧ください。
目次
個人事業主でも申請できる補助金とは
一般的な会社では現在、国が行っている給付金政策や補助金交付などに簡単に申請することはできますが「個人事業主」に関しては、申請に関して対応しているのか不明確なところはあるかもしれません。
個人事業主でも申請できる補助金を紹介させていただきます。
・小規模事業者持続化補助金「一般型」
・小規模事業者持続化補助金「低感染リスク型ビジネス枠」
・ものづくり補助金
上記の3つが「個人事業主」でも申請できる補助金になります。
個人事業主が申請できる「給付金」に関しては数多くあるのですが、「補助金」の場合は数が少ないようです。
補助金制度の中で大きい金額を申請できるのが特徴である「ものづくり補助金」に関して少し説明させていただきます。
ものづくり補助金は、小規模事業者が複数年にかけて行うさまざまな制度変更や(設備投資、働き方改革や給料の賃上げ)への支援策として交付されている補助金です。
3年から5年にかけて事業計画を作成し達成する計画を国に提出します。
その3年から5年の間に
・革新的なサービスや商品を生み出す
・業務の効率化を図る
などを計画し遂行します。
結果として付加価値額を3%以上増加させるなどの補助要件を満たすことで補助金が交付される仕組みになります。
また、一般型や低感染リスク型ビジネス枠では通常対象にならない広告宣伝費や販促費用も補助対象に含まれます。
補助金額は1000万円(一般型)、3000万円(グローバル展開型)
補助率は1/2、2/3(一般型の低感染リスク型ビジネス枠)
補助要件は下記の3つを満たすこと
・付加価値額+3%以上/年
・給与支給総額+1.5%以上/年
・事業内最低賃金≧地域別最低賃金+30円
上記の要件を満たすことが重要になります。
なお、達成できない場合は補助金の返還を求められることもあるので注意が必要です。
詳しく知りたい方は「ものづくり補助金」の公募要領に詳細が記載されているので調べてみてください。
今回の記事では「小規模事業者持続化補助金」に関して多く記載させていただきます。
手続きの流れや申請フローに関しても記載させていただきますので下記事項を参考に申請を検討してみてください。
小規模事業者持続化補助金(一般型)
小規模事業者持続化補助金の一般型では、小規模事業者等が地域の商工会または商工会議所のアドバイス等を受けて経営計画を作成します。その経営計画に沿って地道な販路開拓等に取り組む費用の2/3を補助します。
事業の目的としては、小規模事業者及び一定要件を満たす特定非営利活動法人が今後複数年にわたり相次いで直面する制度変更(働き方改革や被用者保険の適用拡大や給料の賃上げ、インボイスの導入等)等に対応するために、小規模事業者等が取り組む販路開拓等の取り組みの一部を補助します。
一部を補助することにより、地域の雇用や産業を支える小規模事業者等の生産性の向上と持続的な発展を図ることを目的とします。
補助金額の上限としては50万円になります。
ここで言う小規模事業者の定義とは、小規模事業者支援法に基づいて「製造業その他業種に属する主たる事業として営む商工業者及び個人事業主」であり、従業員数が20人以下の事業者を指します。
このことから個人事業主でも従業員の要件を満たせば、小規模事業者持続化補助金を活用できます。
小規模事業者支援法の小規模事業者の定める人数とは
商業・サービス業(宿泊業・娯楽業除く) | 常時使用する従業員の数→5人以下 |
サービス業のうち宿泊業・娯楽業 | 常時使用する従業員の数→20人以下 |
製造業その他 | 常時使用する従業員の数→20人以下 |
補助対象者の範囲として
・会社及び貸家に準ずる営利法人(株式会社、合名会社、合資会社、合同会社、特例有限会社、企業組合、協業組合)
・個人事業主(商工業者であること)
・一定の活動を満たした特定営利法人
上記の3つが補助対象業者になります。
個人事業主に関しては補助対象者に指定されています。しかし、従業員人数の制約に関して注意事項があります。
ルールとして、従業員数の中に「個人事業主本人及び同居の親族従業員」は「常時使用する従業員数」に含まれません。
小規模事業者持続化補助金(低感染リスク型ビジネス枠)
小規模事業者持続化補助金の低感染リスク型ビジネス枠に関して説明させていただきます。
事業概要
・規模事業者が経営計画及び補助事業計画を作成して取り組む、感染拡大防止のための対人接触機会の減少と事業継続を両立させるポストコロナを踏まえた新たなビジネスサービスや生産プロセスの導入に関わる費用の一部を支援する補助金になります。
補助上限としては最大100万円、補助率は3/4です。
感染防止対策費については、補助金総額の1/4(最大25万円)を上限に補助対象経費に計上することが可能になります。
補助対象者に関して
・小規模事業者持続化補助金の低感染リスク型ビジネス枠の補助対象者はいずれも日本国内に所在する小規模事業者であることが条件になります。
上記の条件を満たした上で下記事項が重要になります。
まずは小規模事業者であることが条件です。
小規模事業者は商工会及び商工会議所による小規模事業者の支援に関する法律に基づいて、業種ごとに従業員数で小規模事業者であるかを判断しています。
小規模事業者の定義として下記事項を参考にしてください。
商業・サービス業(宿泊業・娯楽業除く) | 常時使用する従業員の数→5人以下 |
サービス業のうち宿泊業・娯楽業 | 常時使用する従業員の数→20人以下 |
製造業その他 | 常時使用する従業員の数→20人以下 |
業種としては上記事項に該当する個人事業主の方も補助対象者に含まれます。
上記事項に該当する補助対象範囲に関しては個人事業主の方も該当します。
しかし、個人事業主の場合は商工業者であることが条件です。
手続きの流れ
小規模事業者持続化補助金に申請する際の一連の流れを解説していきます。
申請に関しては必要書類や登録業務など様々な手順があります。決して難しいものではないのですが下記事項に詳細を記載するのでぜひ参考にしてください。
申請フロー
小規模事業者持続化補助金に関しての申請フローに関して説明させていただきます。
下記事項を参考に申請に役立てください
①gBizIDの取得
小規模事業者持続化補助金の申請には事前にgBizIDの取得が原則必要になります。
gBizIDとは法人・個人事業主向けの共通認識システムです。
gBizIDを取得することにより、一つのIDで様々な行政サービスにログインすることができます。例えば、「jGrants」「社会保険手続きの電子申請」「保安ネット」「農林水産省急通信制サービス」「ミラサポplus」「IT導入補助金」など様々なサービスを申請するのに必要となります。
アカウントを一つ登録することで有効期限や更新の必要はありません。
申請後からアカウント登録まで1〜2週間程度かかる場合があります。
②提出書書類の準備
gBizIDを獲得したら、次は申請に必要な書類の準備をお願い致します。
必要書類に関してはまた説明させていただきます。
必要書類が準備できたら、申請がスタートになります。
③申請内容
1、まずは「gBizID」で登録したアカウントIDとパスワードで画面にログインします。
2、各項目の説明が記載されているので確認し、下部の「申請する」をクリックします(個人事業主の方は[個人事業主]と記載がある申請部分をクリックします)。
※入力項目が多いためこまめに「一時保存」を複数回することをお勧めします。
3、申請者情報や連絡担当者情報を入力しましょう。基本的にはgBizIDで登録された情報がプレ入力されますが空欄箇所があった場合は入力してください。「必須」と書かれた項目に関しては必ず記載しましょう
4、続いては申請要件の確認になります。1つでも「いいえ」を選択すると不採択になるので注意しましょう。
※個人事業主と法人の場合で入力項目が異なっているので注意しましょう。
5、次は加点項目の入力になります。内容としては「緊急事態措置による影響」「多店舗展開」になります。加点を希望する方は「適用がある」にチェックをしましょう。
6、経営計画及び補助事業計画の入力項目になります。事前に作成した「経営計画及び補助事業(PDF及びWord)」を添付します。この時、ファイル名に関しては「【事業者名】補助事業名」で統一してください。
7、賃金引き上げプランに関しての入力です。賃金引き上げプランの申請に関して当てはまるものを選択しましょう。「希望する」を選択した方は該当する【a~d】に応じた必要ファイルを一緒に添付しましょう。
※【a~d】に関して主に「誓約書」「計画書」「表明書」「賃金台帳」などがあります。
※必要ファイルに関しては上記の説明画面の下部に詳細が記載されています。
8、経費内容に関する項目入力です。補助金額計算書へ記入した経費等を転記していきます。金額の入力時に「,」「%」は入力しないようにしましょう。さらに経費の内訳に関して「一式」や「等」は具体的な内容が確認できないため、「一式」や「等」ではなく具体的に記入しましょう。
9、支援機関確認書に関して、商工会または商工会議所から支援を受けて支援機関確認書を発行された方は書類を添付してください。
10、補助金交付申請書に関して、「交付決定日」や「事業開始日」に入力を記入していきます。
11、宣誓や同意書の添付をします。「Jグランツ」で申請する日付や法人名を記入してください。代表者名は必ず代表者本人が自署してください。
12、添付する必要書類を添付します。「確定申告書」「青色申告決算書(収支内訳書)」を公式HPされている「申請事項の注意事項」をよく確認して事業形態に必要な決算書類を選択しましょう。
※複数の書類を一つの項目に添付したい場合は「Zip形式」もしくは一つのPDFにまとめて選択してください。
13、「JGrants」の利用規約と記入内容を確認し、「申請する」をクリックします。
③申請完了の確認
上記の13ポイントが申請に関する項目内容になります。申請が終了し確認したい場合は「JGrants」にログインし、事業の詳細画面から確認できます。「申請状況」の項目が「申請済み」になっていたら申請は完了しています。
④審査に関して
申請内容に関しては、外部審査員により審査をいたします。審査の期間としては数ヶ月要します。
審査結果に関しては、採択者一覧を公式HPの方で記載がされます。公式HPで公開後、申請者全員に対して審査結果を「JGrants」の方からメールで通知が送られます。
採択者は交付決定通知が「JGrants」から確認次第、事業開始となります。
申請内容に関して不備や訂正、確認が必要な場合は別途事務局からメールで通知が来るようになっています。
修正等の対応完了後、交付決定通知書をメールで送付されます。
⑤事業実施機関に関して
事業実施期間に関しては「補助金交付決定通知書」を受領後、補助事業に着手してください。
詳細に関しては小規模事業者持続化補助金の「公募要領」「交付規定」「補助事業の手引き」に詳しく記載されているので参考にしてください。
注意事項として、事業実施期間中は、補助事業の手引きに沿って経理処理及び請求等の整理を行なってください。
事業終了後の確定審査においては、経理処理に不備が確認された場合、補助金の対象とすることができない場合があるので気をつけましょう。
⑥補助事業完了と実績報告書等の提出に関して
補助事業の終了後は、決められた期日までに実績報告書等を提出してください。
もし、実績報告等の書類を期日までに提出できない場合は、交付決定の通知が来ていても補助金を受け取れない可能性があるので注意しましょう。
補助金額が確定した後は、「JGrants」上で精算払請求を行なってください。
⑦事業効果報告
補助事業終了月の翌月から1年間は「事業効果等状況報告期間」なので状況の報告が必要になります。詳細は「交付規定」に記載してあるので確認してください。
※事業効果等状況報告期間終了日の翌日から30日以内に報告しましょう。
スケジュール
小規模事業者持続化補助金のスケジュールを下記に記載します。もう終わっている期間等もありますが2021年から2022年までを記載させていただきます。
「2021年小規模事業者持続化補助金」
第1回受付締切分 |
申請受付締切日時 |
2021年5月12日(水)17時 |
採択案件の公表 |
2021年7月12日(金) |
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補助事業実施期間 |
交付決定日から2022年2月28日(月)まで |
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補助事業実績報告書提出期限 |
2022年3月10日(木) |
第2回受付締切分 |
申請受付締切日時 |
2021年7月7日(水)17時 |
採択案件の公表 |
2021年7月2日(金) |
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補助事業実施期間 |
交付決定日から2022年4月30日(土)まで |
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補助事業実績報告書提出期限 |
2022年5月10日(火) |
第3回受付締切分 |
申請受付締切日時 |
2021年9月8日(水)17時 |
採択案件の公表 |
2021年11月2日(火) |
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補助事業実施期間 |
交付決定日から2022年4月30日(土)まで |
|
補助事業実績報告書提出期限 |
2022年7月10日(日) |
第4回受付締切分 |
申請受付締切日時 |
2021年11月10日(水)17時 |
採択案件の公表 |
2022年1月6日(木) |
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補助事業実施期間 |
交付決定日から2022年8月31日(水)まで |
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補助事業実績報告書提出期限 |
2022年9月10日(土) |
第5回受付締切分 |
申請受付締切日時 |
2022年1月12日(水)17時 |
採択案件の公表 |
確定後にご案内 |
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補助事業実施期間 |
交付決定日から2022年10月31日(月)まで |
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補助事業実績報告書提出期限 |
2022年11月10日(木 |
第6回受付締切分 |
申請受付締切日時 |
2022年3月9日(水)17時 |
採択案件の公表 |
確定後に案内 |
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補助事業実施期間 |
交付決定日から2022年12月31日(土)まで |
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補助事業実績報告書提出期限 |
2023年1月10日(火) |
上記が2021年から2022年にかけて公募されておいるスケジュールになります。
まだ期間が確定していない部分もありますが、現在は第6回の公募には間に合うと思うのでぜひ申請してみてください。
申請書類
個人事業主の方が必要な申請書類に関して下記にまとめました。
申請する際に必ず必要になるので参考にしてください。
①小規模事業者持続化補助金事業に係る申請書
②経営計画書兼補助事業計画書
③補助事業計画書
④始業支援計画書
⑤補助金交付申請書
⑥直近の確定申告書(税務署受付印のあるもの)※収支内訳書がない場合は賃貸対照表及び収益計算書を作成し提出してください。
上記の①〜⑥が個人事業主の方々に必要な申請書類になります。
申請前に余裕を持って準備しましょう。
書き方
小規模事業者持続化補助金を申請される方で、申請書の書き方に関して不安が多い方は多いと思います。
申請書に関しては、もちろん記載が簡単なものもありますが「経営計画」や「補助事業計画」に関しては補助金申請を始めた行う方にとって難易度が少し高いかもしれません。
ここでは申請書類の書き方のポイントを解説していきます。
ポイント1:要点を抑えましょう
・各項目に関して、記載すべき要素があります。そのポイントや要点を理解して記載してください。
ポイント2:箇条書きがおすすめです
・普通の文章で記載するのも問題はありません。しかし、文章を書き慣れていない方はポイントを箇条書きするのでも問題はありません。
ポイント3:文章量の制限はありません
・「補助事業で行う事業名」に関しては30文字以内と制限はありますが、それ以外は特に文字数の制限はありません。箇条書きで多く書き出し、後に結合し文章にするのもいいかもしれません。写真や表なども加えても問題ありません。
ポイント4:商工会議所や商工会の助言を受けましょう
・小規模事業者持続化補助金の窓口は商工会議所または商工会です。一度自分なりに作成し確認してもらうのもいいかもしれません。
「経営計画の書き方」
1、企業概念
2顧客ニーズと市場の動向
3自社の提供する商品やサービスの強み
4経営方針や目標や今後のプラン
「補助事業計画」の書き方
1補助事業で行う事業名
「〜〜〜〜」の開発、販路開発のような事業名を30文字以内で記載してください。
2販路開拓等(生産性向上)の取組内容
3業務効率化(生産性向上)の取組内容[任意記入]
業務効率化にとって、従業員の労働環境を改善するなどの取組等を記載します。
4補助事業の効果
上記のような記載項目があり、それに伴う内容に関して記載させていただきました。
内容に関しては具体的に記載することをお勧めします。
文章量も少ないよりは多めに書いて審査員にアピールすることが大事になります。
まとめ
小規模事業者持続化補助金の個人事業主に関して記載させていただきました。
法人向けに交付される補助金や給付金が多い中で、個人事業主の方々にも交付される補助金になります。
補助金申請に関しては難しい部分もありますが、今回の記事を参考にコロナ禍でも販路の拡大や業務の効率化を実現させるためにぜひ補助金を利用してください。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
小規模事業者持続化補助金(一般型)