ものづくり補助金
2022.02.28東京都墨田区の老舗お菓子工場がSDGsに配慮したお菓子製造工程を導入し、環境にやさしいいお菓子をアピールできた事例
事例詳細
【業種】製造業(お菓子)
【エリア】東京都墨田区
【社員人数】5名
ものづくり補助金
400万円受給額400万円
お悩み
戦後創業の焼き菓子店です。東京大空襲で焼け跡になった中から復興したこの町で、戦後の歴史とともに歩んできました。
地元の方のみならず、他県、地方の方からもお茶請け用、ご贈答用にご愛顧いただき、新型コロナウィルスの影響も比較的受けず、安定した売上を維持することができました。店内飲食ではなく、持ち帰りや全国発送に特化していたのがよかったと思われます。
しかし、焼き菓子の機械について、戦後導入したものが老朽化し、買い替える必要が出てきました。エネルギー効率も悪く、専門家の指摘として、二酸化炭素や温室効果ガスの排出量が多いようです。
そこで、最近話題の「SDGs」に資するお菓子開発を手掛けようと思い、「ものづくり補助金」を申請しました。ものづくり補助金の「グリーン枠」が利用できるというお話を聞き、そちらを申請しました。
焼き菓子の機械は当社オリジナルなのですが、エネルギー効率がよく。温室効果ガスの排出が以前と比較して減るものを作っていただき、導入しました。当社は小規模事業者なので、必要額の3分の2まで補助していただけるのがとてもありがたかったです。
結果
新しく導入した焼き菓子の機械は、当然エネルギー効率もよく、燃料費や電気代を大きく抑えることができました。排出する温室効果ガスも少なくなっているはずです。
焼き加減やお菓子の質は前と変わらず、いや、前以上に上手に焼きあがっているとお客様から好評をいただいています。
また、お菓子のパッケージには「当社はSDGsに向けた取り組みをしています」「政府の「ものづくり補助金『グリーン枠』で導入した機械で焼いています」という(少々あざといですが)キャッチコピーを載せることができ、それにより、環境にやさしいお菓子ということで、以前とは別の層のお客様からの注文も増えています。
新しく導入した機械は、これまで以上にさまざまなお菓子に応用できるため、アレルギーの方向けのお菓子や、おからや雑穀を使ったお菓子、砂糖を使わないお菓子など、広く「オーガニック」な分野のお菓子も製造することができます。
これまでやや過剰であったお菓子の包装も、SDGsに配慮して大幅に簡素化してみました。これが好評で、「これまではお菓子を包みから出すのだけでも大変だったのよ」と高齢のお客様から言われたこともありました。気付かないものですね。
これまでのお客様を大切にしつつ、新しいお客様の開拓に資することができました。おかげさまで売上も1.5倍に伸び、「ものづくり補助金」の成果目標である「補助事業者全体の付加価値額が年率平均3%以上向上」などもほぼ確実にクリアできそうです。
新しいお菓子開発の一歩を踏み出すために「ものづくり補助金」の背中を押していただいたと思っています。今後も、多くの人に愛される人の身体にも環境にもやさしいお菓子作りに心がけたいと思っています。
アドバイス
ものづくり補助金は以前からある補助金で、成果目標を達成できるならば、非常に使い勝手がよいものです。今回のお菓子さんは、新型コロナウィルスの影響を受けていない(貴重な)事業者でしたが、SDGsという新しい視点で、ものづくり補助金を受給することができました。
攻めの経営戦略は、環境など新しい視点を取り入れることで、可能になります。みなさんが澪落としている観点、視点があるかもしれません。ぜひ、専門家のアドバイスなども聞きながら、活用できる補助金がないか探してみてください。